【基礎から学ぶ】リード獲得について

BtoBマーケティングにおいて重要な要素の一つに、「リード獲得」というものがあります。
リードが増えなければ、受注件数を増やし売上を伸ばすことは困難です。この記事では、リード獲得の方法や、そもそもリードとは何か?という基本的な内容も抑えながらリード獲得から成約のプロセスまで分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

▼この記事はこんな方におすすめです

  • BtoB商材を取り扱う企業のマーケティング担当者・web広告担当者
  • BtoB商材を案件として担当している広告代理店の方
  • BtoB事業における集客方法についての情報を幅広く収集されている方

目次
1.リードとは
2.リードの種類
3.リードに対する3段階の活動プロセス
4.リード獲得に効果的な施策
5.まとめ


1.   リードとは

リードとは、BtoBマーケティングにおいて「見込み客」を意味します。「見込み客」とは、将来的に新規顧客となってくれる可能性のある人や企業のことです。

自社のサービス・商品に興味をもっている見込み客に絞り込んで適切にアプローチできれば、BtoBマーケティングの成果向上に繋がり、最終的には売上UPが期待できます。
リード獲得は、BtoBマーケティングにおいて非常に重要な要素であり、成功に導くための第一関門と言えるでしょう。
獲得したリードを効率的に成約に繋げるために重要なことは、適切なリード管理です。そして、マーケティング部門と営業部門との密な連携も欠かせません。

マーケティング部門と営業部門が、リードについて異なる解釈をもっていると有機的な連携は生まれず、期待する成果も上がりません。
実際にマーケティング部門のリードというのは検討段階に入るのはだいぶ先になりそうな企業を指し、一方で営業部のリードとはサービスについて関心度が高まっている企業で、成約までのイメージがつく企業を指すケースも多いのではないでしょうか。

リード獲得から成約に繋げる一連の活動の質を高めていくためには、両部門が常に情報共有し、互いにフィードバックし合いながらリードのステータス把握を適切に行う管理体制を整えることが必要になってくるでしょう。


2.リードの種類

リードを適切に管理するためには、まずリードを細かく分類する必要があります。

ここでは、「Demand Waterfallモデル」というアメリカのBtoBマーケティング分野のリサーチ&アドバイザリー会社であるシリウス・ディシジョンズ社が提唱した分類方法を紹介します。
このモデルでは、リード獲得から受注までのプロセスを表したもので、段階ごとにリードが4種類に分類されます。

①Inquiry:リード獲得段階
②MQL(Marketing Qualified Lead):営業への引き渡し段階
③SQL(Sales Qualified Lead):提案段階
④Close:受注段階

上記4段階のうち、MQL、SQLについて詳しく説明をしていきます。

・MQL(Marketing Qualified Lead)
マーケティング担当がリード獲得をしてから、後述するリードナーチャリングなどでリードの温度感を引き上げる対応を行い、営業担当に引き渡すフェーズとなったリードを指します。
マーケティング担当が絞り込んだ(Qualified)リードという意味合いで、またそのリストを指すこともあります。

・SQL(Sales Qualified Lead)
営業担当が対応するフェーズのリードを指します。
SQLは、どのようにリード獲得がされたかによって更に以下の2種類に分類されます。

・SAL(Sales Accepted Lead)
営業担当が受け取ったリード。つまり、マーケティング部門が生み出したリードを営業部門に引き継いだものを指します。

・SGL(Sales Generated Lead)
営業担当自身が創出したリードを指します。
アポ電をかけて取得したリードや、顧客からの紹介で得たリードなどが該当します。

Demand Waterfallのメリットはリード獲得から受注までのプロセスを可視化できることです。それにより、マーケティング部門、営業部門の各業務について理解を深め、双方の協力関係が築けることにあります。


3リードに対する3段階の活動プロセス

マーケティング活動を行っていく中で、リードを獲得し成約に至るまでには大きく分けて3つのプロセスがありますのでご紹介します。

・リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み顧客の獲得を目的とした活動を指します。「リードジェン」などと略して呼ばれることもあります。

自社の商品やサービスに関心を示す企業や個人の情報を獲得するための活動で、展示会での名刺獲得、セミナーの開催、Webサイト問い合わせ・資料請求、SEO対策、テレアポなどの営業活動などが該当します。具体的な手法は目次4「リード獲得に効果的な施策」でご紹介します。

積極的にリードジェネレーションに取り組むことが、認知拡大やリード獲得の機会を最大化することに繋がります。

・リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客にたいして段階的にアプローチし、信頼関係を築きながら受注までの意欲を高める活動のことをいいます。リードジェネレーションで発掘したリードは、商品やサービスを認知しただけの状態が殆どです。

具体的なニーズに沿った商品の詳細情報や有益な情報の提供、会員限定イベントの案内などを行い、漠然とした興味・関心から商談や案件につなげていくプロセスです。

必要なのは、見込み客にとって必要なタイミングで、ニーズにあった内容を提供してアプローチすることです。受注までのプロセスが長いBtoBマーケティングでは重要な工程です。

・リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、受注につながる可能性が高いリードを選別して営業部門に引き継ぐプロセスをさします。
リードクオリフィケーションに取り組むことで、引き継いだ営業部門も効率的にアプローチをすることができ、見込み顧客側からは必要と思うタイミングとなるので、満足度の向上に繋げることにもなります。

リードクオリフィケーションでは、スコアリングという手法が用いられます。
スコアリングは、リードの「属性」と「行動」の2つのカテゴリーの情報に対して点数をつけます。「属性」は、役職や所属する部門、企業の規模や所在地などの情報のことで、例えば、大手企業の決裁者へのアプローチを目的とした場合、「部長:10点」「役職なし:3点」や、「資本金1億円以上:10点」「従業員100人未満:2点」といったように点数を付けていくイメージです。

「行動」は、見込み客の関心度を推測するアクションのことで、「メルマガを開封した:5点」「資料請求した:15点」といったイメージです。見込み客の興味・関心の程度を可視化し、その合計点数が一定に達したリードを優先度が高いと判断し、営業部門に引き継ぐことになります。

ただ、ここまで厳密な制度・ルールを設けて管理出来ている企業は決して多くないのも事実です。


4.リード獲得に効果的な施策

リードを獲得するための施策は多岐にわたります。BtoBマーケティングを担当されている方であれば「新規リード獲得に課題がある」と感じた、或いは現在感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、リード獲得手法を「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の2種類にわけてみていきます。

・アウトバウンド型
アウトバウンド型とは、展示会、セミナー開催、ダイレクトメール、テレアポ営業などを用いて見込み客にアプローチする、従来から一般的なマーケティング手法です。
企業側からアプローチをしてリードを獲得する、プッシュ型ともいわれます。不特定多数に向けての施策となるため、ブランドの認知度を高めて広く(浅く)リードを獲得したい場合に向いています。

・インバウンド型
インバウンド型とは、Webサイト、SNS、メルマガなどを活用して自社からではなく、見込み客からアプローチを促し、リードを獲得する方法でプル型ともいわれます。
見込み客に価値のある有益な情報を継続的に発信することが必要なので、リソースを多く必要とします。すぐに効果が期待できるものではないですが、続けるほどに関心度や信頼感を高める効果を見込むことができます。

これら施策はさらに「オンライン」と「オフライン」でも切り分ける事が出来ます。それらを整理した表が下記となります。

インターネット環境の普及やコロナ禍の影響により、インバウンド型の重要度が高まっていますが、アウトバウンド型が全く機能しなくなった訳ではありません。重要なことは、自社のサービス・商材の性質や置かれている状況、目的や訴求内容などを踏まえて、適切な施策を取捨選択し、確実に実行することです。


5.まとめ

この記事では、BtoBマーケティングにおけるリード獲得の重要性や、そもそもリードとは何かについてご紹介しました。

おさらい

・リードとは、BtoBマーケティングにおいて「見込み客」の事を指し、興味や検討の度合いに応じてMQL/SQLなどと分類されます。MQLはマーケティング部門が、SQLは営業部門が管理するといったように、分類されたリードごとに管理部門が異なる企業も多いため、リード情報を常に最新の状態に保ちながら情報共有を部門間で実施し、ステータスの把握などを行う必要があります。

・リードに対しての活動プロセスは「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」という3段階に分かれていて、各プロセスで管理方法や活動内容は異なります。特に「リードジェネレーション」においては、オフライン/オンライン×アウトバウンド/インバウンドで様々な施策が存在するため、運営するサービスの特性や市場環境、置かれている課題や予算等の状況を踏まえて適宜適切な施策を採択する必要があります。

もし現在、マーケティング/広報/営業など各部門間でリード管理や活動部分で有機的な連携が出来ていなかったり、関係者同士で中々話が噛み合わないケースが頻発しているなどといった課題を感じられていれば、まずは一度リードに対しての定義のすり合わせや認識の統一といった基本部分から見直してみてはいかがでしょうか?

最後に「シラレル」にご興味をお持ちの方は、ぜひ一度こちらからお気軽にお問い合わせください!